大腿神経・鼠径部痛・変形性股関節症と筋力低下の関わり
「歩くと股関節が痛い」「足の付け根がつっぱるように感じる」
こうした訴えは高齢者の方にとても多くみられます。股関節は体を支える要の関節であり、日常生活に直結するため、不調は生活の質を大きく左右します。ここでは なぜ高齢者に股関節痛が多いのか を、神経・筋肉・関節の観点から整理してみましょう。
高齢者に股関節痛が多い理由
変形性股関節症(へんけいせいこかんせつしょう)

- 加齢とともに軟骨がすり減り、関節のクッション性が低下。
- 骨同士が直接こすれ、炎症や痛みを起こす。
- 初期は「立ち上がり時」「歩き始め」に違和感が出やすい。
大腿神経の圧迫や障害

- 股関節や腰部の筋肉が硬くなると、大腿神経が圧迫されやすくなる。
- 結果として 太ももの前面から膝にかけての痛みやしびれ が出る。
- 腰椎の変性や姿勢の悪化が関与する場合も多い。
鼠径部(足の付け根)の痛み

- 股関節そのものの障害だけでなく、腸腰筋(ちょうようきん)や大腿直筋の硬さも関係。
- 長時間歩いた後や階段の昇り降りで強くなる傾向。
- 「股関節というより足の付け根が痛い」と表現されやすい。
筋力低下

- 加齢により 中殿筋や大腿四頭筋など、股関節を支える筋肉が衰える。
- 筋肉が支えきれず、関節や神経に負担が集中して痛みを悪化させる。
- 特に女性は骨粗鬆症と重なりやすい。
関節の拘縮(こうしゅく)

- 長年の使い方や炎症によって、関節包や靭帯が硬くなる。
- 関節の動きが制限され、無理な動作で痛みが出やすい。
- 進行すると正座やあぐらが難しくなる。
股関節痛を和らげるために
- 体を冷やさない 冷えは血流を悪くし、痛みやこわばりを増幅させます。特に下半身を温める工夫を。ぬるめのお湯でゆっくり浸かるのがおすすめ。
- やさしい運動習慣 無理のない範囲で股関節周囲を動かすストレッチやウォーキング。 例:仰向けで膝を立て、左右に軽く倒す運動。
- 筋力トレーニング 中殿筋(横向きで足を持ち上げる運動)や太もも前の筋肉を意識。 「支える力」をつけることが痛みの軽減につながります。
- 正しい姿勢と生活習慣 猫背や腰の反りすぎは股関節への負担を増やします。 椅子の座り方や立ち上がり方を意識しましょう。

椅子に座って足踏み運動、30秒間繰り返し10秒休んで3セットチャレンジ。

仰向けで膝を立て、左右に軽く倒す運動。

横向きで足を持ち上げる運動
まとめ
股関節痛は「年齢のせい」と片づけられがちですが、実際には 神経・筋肉・関節 が複雑に関わっています。特に大腿神経や鼠径部の痛みは「股関節だけの問題ではない」場合も多く、早めのケアが大切です。
- 変形性股関節症
- 大腿神経の圧迫
- 筋力低下や関節の拘縮
これらを理解し、日常的にケアを行うことで 痛みを軽減し、快適な生活を続けることが可能 です。


