肘の痛みが治らない理由
〜テニス肘と頚肩腕症候群を中心に〜
「ペットボトルを開けると肘が痛む」
「パソコン作業の後、じわっと肘が重だるい」
「湿布を貼っても一向に改善しない」
こうした肘の痛みに、思い当たることはありませんか?
肘の不調にはいくつかの原因がありますが、実は「肘そのものが悪いわけではない」ケースも意外と多いのです。
今回は、肘の痛みでよく見られる「テニス肘(外側上顆炎)」と「頚肩腕症候群(関連痛)」、さらに痛みが長引く背景にある毛細血管の新生という身体の反応についてもご紹介します。
肘の痛みの代表的な3つの原因
肘に痛みを引き起こす主な疾患には、以下の3つがあります。
■ テニス肘(外側上顆炎)
肘の外側にある「上腕骨外側上顆」に付着する腱が炎症を起こすことで、
・ものを持ち上げる
・タオルを絞る
・ドアノブを回す
などの動作で痛みが出ます。スポーツ経験がなくても、日常動作や反復作業で誰にでも起こり得る症状です。

■ ゴルフ肘(内側上顆炎)
こちらは肘の内側に痛みが出るタイプ。手首を内側にひねるような動作で負担がかかり、痛みが発生します。

■ 肘部管症候群
肘の内側を通る尺骨神経が圧迫され、しびれや痛みが起こります。
デスクワークや長時間の肘の曲げ伸ばしが関係するケースもあります。

頚肩腕症候群による「肘の関連痛」
肘自体には異常が見られなくても、首・肩・背中など上半身の筋緊張や神経の圧迫によって、肘に痛みや違和感が出ることがあります。このような症状は、総称して**「頚肩腕症候群」**と呼ばれます。
▼ こんな症状は関連痛のサインかも
- 肘の痛みとともに、首・肩こりや背中の張りを強く感じる
- 長時間のデスクワークやスマホ使用で悪化する
- 朝や夕方に痛みが強くなりやすい
- 検査では異常なしと言われたが、痛みが続く

この場合、肘だけの局所治療では改善しにくく、首や肩・胸郭の状態、自律神経のバランスを整える必要があります。
テニス肘が治りにくいのはなぜ?
テニス肘をはじめとする腱の炎症は、通常であれば安静や治療によって自然と回復します。
しかし、3ヶ月以上痛みが続いている場合、それは「ただの炎症」ではなく、**腱の慢性障害(腱障害)**に移行している可能性があります。
▼ 毛細血管の“増えすぎ”が痛みを招く?
腱の修復過程では、新しい毛細血管が伸びてくることがあります(これをもやもや血管と呼びます)。
これは一見、良いことのように思えますが、実はこの毛細血管と一緒に異常な神経線維も伸びてくることで、
「本来痛くない刺激にも過敏に反応してしまう」ようになります。
つまり、腱の修復がうまくいかないまま神経が過敏化し、痛みだけが残り続ける…それが慢性化の正体です。
当院でのアプローチ
当院では、「痛みの部位だけを見る」のではなく、以下のような全体的な視点で施術を行っています。
- 姿勢・肩甲帯・胸郭の可動性の評価
- 頚部〜上肢の神経経路の緊張や圧迫の確認
- 肘周囲の腱や筋膜の柔軟性、血流改善
- 音楽×手技による副交感神経活性アプローチ
- 肘に負担をかけにくい日常動作の指導
とくに当院の施術では、「音」の力を活用し、交感神経の過緊張をやわらげる音楽環境を用いたリラクゼーション手技を取り入れています。これは、肘のような慢性痛の回復にも非常に有効です。
まとめ
肘の痛みは、肘そのものに原因があるとは限りません。
テニス肘に代表される腱の炎症だけでなく、頚肩腕症候群や神経・血流・自律神経の乱れによって起こることもあります。
「どこに原因があるのか?」を見極め、身体全体を診る視点が、慢性痛の改善には欠かせません。
痛みが長引く方、何度も再発する方は、ぜひ一度、専門家の評価を受けてみてください。


