「朝一の急な動きには注意!」正しいラジオ体操とオフィス活用術

ラジオ体操は、日本人になじみ深く、全身をまんべんなく動かせる素晴らしい体操です。

でもちょっと待ってください――朝起きてすぐにラジオ体操をしていませんか?
実はその習慣、場合によっては体に負担をかけてしまうこともあるのです。

この記事では、

  • 「朝イチのラジオ体操」に潜む意外な落とし穴
  • 仕事中やデスクワーク中でもできる“ラジオ体操アレンジ”
    をご紹介します。

ラジオ体操の歴史|ざっくり解説

ラジオ体操は、昭和初期に国民の健康増進を目的として生まれた、日本独自の健康運動プログラムです。

■ 起源:アメリカの保険会社がヒント

1928年(昭和3年)、日本生命の職員がアメリカで「ラジオ体操」を見聞きし、「これは日本でも取り入れる価値がある」として帰国。
当時の逓信省(ていしんしょう/現在の総務省)が全国普及を主導します。


■ 昭和3年~:初代ラジオ体操 放送開始

1928年、NHKの前身「東京中央放送局」でラジオ体操の放送が始まりました。
この年はちょうど昭和天皇の即位の年でもあり、国民の体力向上が国家的な課題だった時代です。


■ 戦後、内容が見直される(第二・第三体操)

戦時中の運動色が強かったため、終戦後のGHQ占領下ではいったん中止。
しかし、1951年(昭和26年)に「ラジオ体操第1」が再編・復活されます。
これが今も放送されている「現行バージョン」です。
その後、「第2」「第3」も作られましたが、第1がもっとも親しまれています。


■ 現代へ:90年以上続く国民的健康習慣

現在では、
・学校の朝礼
・企業の朝体操
・夏休みの子どもたちの朝活
・高齢者の健康体操
として、**幅広い世代に親しまれる“日本の朝の風景”**になりました。

朝一は注意

ラジオ体操は全身を動かせる良い体操ですが、「起きてすぐに布団から出てそのままやる」のは人によっては要注意。


寝起きは筋肉も関節も固く、血圧もまだ安定していないため、無理に体をひねったり反らしたりするとケガやふらつき、腰痛を招く可能性があります。

特に高齢の方や、首・腰・膝に不安がある人にとっては、朝一の急な動きは注意が必要です。


朝のラジオ体操、やるならこうする!

  • 起きたらまず「布団の中やベッドの上で軽いストレッチ」からスタート
  • 少しを水を飲んで、体内を目覚めさせてから
  • 深呼吸しながらゆっくりと動き出す
  • 体が温まってからラジオ体操へ(理想は起床後20~30分後)

ラジオ体操そのものはとても優れた運動習慣です。
でも、「タイミング」と「体の状態」を無視すると、逆効果になることも。

朝起きてすぐの“いきなり運動”ではなく、“ゆっくり目覚める準備”からのラジオ体操を習慣にして、心地よい1日をスタートさせましょう!



第1と第2の違い、知っていますか?

ラジオ体操といえば、「第1」「第2」がありますよね。小学校の頃に両方やっていた方も多いのではないでしょうか?

参考動画:慶應スポーツSDGsチャンネル

ラジオ体操第1ラジオ体操第2
年齢・体力問わず対応比較的若年層・運動慣れした方向け
柔軟性と全身運動を重視筋力・瞬発力を重視した構成

でも、実はこんな事実が…

第2は跳ねる動作、ひねる動き、腕を強く振る運動が多く、関節や筋肉に負担がかかりやすい構成です。
そのため、膝・腰・肩に不安のある高齢者や、運動初心者の方にはリスクが高いのです。

特に注意が必要な動作

  • ジャンプ動作(足首・膝への負担)
  • 大きな体のひねり(腰椎や股関節への負担)
  • 反動をつけた運動(バランスを崩しやすい)

→ ムリせず第1だけで十分効果的です!


ラジオ体操をより効果的にする3つのコツ

ラジオ体操は、やり方次第で“ただの習慣”から“有酸素運動+筋トレ”に進化します。
以下のポイントを意識するだけで、運動効果がぐっとアップします。


① 1つ1つの動きを「しっかり大きく」

つい“流れ作業”でこなしてしまいがちなラジオ体操ですが、動作を大きく、丁寧に行うことがカギ。
たとえば「腕を回す」ときは、しっかり肩甲骨まで意識して!


② 呼吸を意識して「ゆっくり動く」

速く動く=効果がある、というわけではありません。
呼吸に合わせてゆったり動くことで、副交感神経が優位になり、自律神経も整います。


③ 負荷を少し加えて「筋トレ化」

  • 腕の上げ下げに「500mlのペットボトル」を持ってみる
  • 足踏み時に「太ももを少し高く上げる」
  • 背筋を伸ばして「姿勢をキープする」

日常の体操でも、意識と負荷の工夫で“立派な運動”になります!


ラジオ体操は“進化する健康法”

ラジオ体操は、「やるかやらないか」よりも、「どうやるか」がポイント。
高齢者の方は第1を安全に丁寧に、体力のある方は第2を工夫してさらに強度アップというように、“自分仕様のラジオ体操”にカスタマイズするのが理想です。

デスクでもできる!職場での“ラジオ体操アレンジ”でリフレッシュ

「最近、ずっと座りっぱなしで肩がガチガチ…」
「職場で運動なんてムリ」

そんなあなたにこそおすすめなのが、**“座ったまま・小さな動きでできるラジオ体操アレンジ”**です!

わざわざラジオ体操の音楽を流す必要もなし。
1〜2分でできるリセット習慣、今日から取り入れてみませんか?


■ なぜデスク体操が必要なのか?

長時間のデスクワークは、血流低下・姿勢の崩れ・集中力の低下を招きます。
特に多いのが、こんな不調👇

  • 首・肩のこり
  • 背中や腰のだるさ
  • 手足の冷え・むくみ
  • 目の疲れ・集中力の低下

1時間に1回、2〜3分でも体を動かすことで、パフォーマンスも姿勢もリセットできます!


座ったままOK!ラジオ体操風アレンジ 5選

① 肩甲骨ぐるぐる回し(ラジオ体操の「腕回し」)

  1. 背筋を伸ばしてイスに座る
  2. 両肩を前から上→後ろ→下へと大きく回す(後ろ回し)
  3. ゆっくり5回、呼吸を止めずに

▶ 肩こり・巻き肩・猫背改善に効果的!


② 胸開きストレッチ(ラジオ体操の「胸をそらす運動」)

  1. 両手を後ろで組む(難しければ、手を腰に添えるだけでもOK)
  2. 胸を開いて肩甲骨を寄せる
  3. ゆっくり深呼吸しながら10秒キープ

▶ 呼吸が深くなり、集中力アップにも◎


③ 腰倒し(ラジオ体操の「体を倒す運動」)

  1. 背筋を伸ばして座り、両手を上げる
  2. ゆっくり右へ倒す→中央→左へ倒す(各5秒)
  3. 3往復ほど繰り返す

▶ 腰痛予防&ウエストのくびれ作りにも!


④ 太もも上げ(ラジオ体操の「足踏み」風)

  1. 背筋を伸ばし、イスに深く座る
  2. 片脚ずつ、膝をゆっくり胸に近づけて上げる(交互に5回ずつ)
  3. 腹筋に力を入れて姿勢をキープ

▶ むくみ解消・股関節の動き改善に効果的!


⑤ 手首&指パタパタ(ラジオ体操にはないけどおすすめ)

  1. 手を前に出し、手首をブラブラと振る
  2. 指をパー・グー・パー・グーとリズミカルに動かす
  3. 30秒ほど繰り返す

▶ 手・腕の疲労軽減、眼精疲労対策にも◎


まとめ

ラジオ体操は、「やるかやらないか」よりも、「どうやるか」がポイント。しかも自分に合わせたアレンジ可能。

毎日の健康習慣に、ラジオ体操取り入れてみませんか。


それだけで、体も気分も軽くなるはずです!