【しびれ 下肢編】
~腰から足先にかけてのしびれの原因と対処法~
こんな症状ありませんか?
- 長く立っているとお尻や太ももがジンジンする
- 座っているとお尻や足にしびれが出る
- 歩くと足の裏にピリピリした感覚がある
- 靴下を履くとき、片足にだけ違和感がある
これらは、腰・骨盤〜足先までの神経の通り道で障害が起きているサインかもしれません。

下肢のしびれを引き起こす主な神経と疾患名
| 疾患名 | 障害される神経 | 主な症状部位・特徴 |
|---|---|---|
| 坐骨神経痛(原因:腰椎椎間板ヘルニアなど) | 坐骨神経(L4〜S3) | 腰〜殿部〜太もも裏〜ふくらはぎ〜足裏まで放散 |
| 梨状筋症候群 | 坐骨神経 | 殿部に圧痛あり。長時間の座位で悪化 |
| 大腿神経障害 | 大腿神経(L2〜L4) | 鼠径部〜前腿のしびれ・痛み、膝を伸ばしにくい |
| 閉鎖神経障害 | 閉鎖神経(L2〜L4) | 内もも(内転筋)のしびれ・筋力低下 |
| 上殿神経障害 | 上殿神経(L4〜S1) | 中殿筋・小殿筋の機能低下。歩行時の骨盤の不安定感 |
| 足根管症候群 | 脛骨神経(足根管部) | 足裏・かかと・足指にしびれ、夜間悪化することも |
| 腓骨神経障害 | 総腓骨神経 | 足の甲・外くるぶしの感覚低下、つまずきやすい |
神経の通り道と絞扼ポイント
下肢の神経もしびれを引き起こす「絞扼(こうやく)ポイント」が存在します。
これらの部位で神経が圧迫されたり、滑走が悪くなることで、放散痛や感覚障害が生じます。

坐骨神経はなんと、大人で小指ほどの太さ、長さは1メートル以上になるんです!
🔹 主な絞扼ポイントと関連症状
| 絞扼部位 | 神経 | 放散する部位 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 梨状筋下 | 坐骨神経 | 殿部〜太もも裏〜ふくらはぎ | 坐骨神経痛の中でも筋由来の代表格 |
| 鼠径靭帯下 | 大腿神経 | 鼠径部〜前腿 | 姿勢不良や腸腰筋の過緊張が関与 |
| 内閉鎖筋近傍 | 閉鎖神経 | 内もも | 骨盤深部の筋緊張が関連 |
| 骨盤出口(上殿切痕) | 上殿神経 | 殿部外側の重だるさ | 歩行時の左右差・骨盤の不安定感あり |
| 足根管(内くるぶし後方) | 脛骨神経 | 足裏・かかと・指先 | 立ち仕事や扁平足が関連要因 |
接骨院での施術アプローチ
✅ 手技療法(筋・筋膜リリース、関節調整)
- 梨状筋・腸腰筋・内転筋・大腿四頭筋・足底筋群などへのアプローチ
- 骨盤・股関節・膝・足関節の可動域調整
- 神経の滑走を促すモビリゼーション
当院では特に坐骨神経に関して、梨状筋周囲に問題がある症例が多いとの見立てをしており、重点的に評価、施術を行っております。
✅ 温熱療法・電療
- 筋緊張緩和による圧迫解除
- 足根管・坐骨神経まわりの温熱で血流改善
- 電気刺激による神経活性も状況に応じて活用
✅ 姿勢・歩行指導
- 反り腰、骨盤後傾、扁平足など構造的な問題に着目
- 足底〜膝〜股関節までの連動改善
- 靴の選び方・立ち方・歩き方の指導も重要
自律神経との関連
しびれが慢性化する背景には、自律神経の乱れも関係しています。
- 交感神経が優位になると血管が収縮し、末梢神経が栄養不足に
- 睡眠不足・ストレス過多・不安が症状を悪化させる要因に
- 特に足裏のしびれや冷えは、自律神経失調型の症状としてよく見られます
対応法:
- 副交感神経を優位に導くリラクゼーション手技(頭蓋・仙骨調整など)
- 呼吸法や自律神経を整える生活習慣のアドバイス(睡眠、入浴など)
【共通】まず押さえておきたい基本ポイント
| 内容 | 解説 |
|---|---|
| 姿勢の見直し | 猫背や反り腰は神経圧迫の原因に。 椅子の座り方やPCの位置を調整。 |
| 深い呼吸 | 浅い呼吸=交感神経の過緊張。 腹式呼吸で自律神経を整える。 |
| 入浴で温める | 全身を温めることで血流改善。 |
| 就寝前のスマホ制限 | 神経過敏や自律神経乱れを防ぐため、 寝る1時間前からブルーライトカット。 |
【下肢】腰・骨盤〜脚・足先のしびれセルフケア
① 梨状筋ストレッチ:お尻から太もも・ふくらはぎの裏側に症状がある場合

椅子に座ってのやり方
- 仰向けで片足を反対膝に乗せ、体を前にゆっくり倒す(股関節外旋ストレッチ)
- 30秒キープ×左右2回ずつ
👉 ポイント: お尻の奥が伸びる感じがあればOK。

寝た状態でのやり方
寝た状態で片足を反対膝に乗せ、太ももを両手で持ち体に向かってゆっくり倒す(股関節外旋ストレッチ)
30秒キープ×左右2回ずつ
腰に痛みのある方はこちらがおすすめ。
② 太もも前(大腿神経)ストレッチ

やり方:
- 立位で片足を後ろに曲げ、足首を持つ
- 太ももの前〜腰が伸びる感覚を意識
- 20秒×左右2回ずつ
③ ふくらはぎ〜足裏ケア(足根管・腓骨神経対策)
やり方:
- ゴルフボールやテニスボールで足裏を転がす
- アキレス腱ストレッチでふくらはぎの柔軟性を保つ
👉 ポイント: 足根部の神経圧迫(足根管症候群など)の予防に◎

足裏の刺激には青竹踏みがおすすめです。足裏のツボ刺激で、沈殿している老廃物も流してしまいましょう。
おまけ
これらのエクササイズに加えてペルビックカールがおすすめ。

仰向けに寝て、膝を立てる(足は腰幅)。
息を吐きながら、骨盤を伸ばすイメージでお尻をゆっくり床から持ち上げる。
背骨を一つ一つ伸ばすイメージで、肩〜膝が一直線になるところまで持ち上げ、ゆっくり息を吸う。
呼吸法は、背骨を動かしている時に吐き、姿勢をキープする際に吸うように意識してください。
やり始めはかなりきつい方もいるでしょう。かくいう私も始めた際は10秒キープが精一杯でした。1か月間欠かさず行ううちに30秒間はキープできるようになりました。5秒キープを目安に徐々に時間を伸ばしていきましょう。3~5セット行ってみてください。
このエクササイズは、骨盤底筋や腹筋、臀部の筋肉を強化し、骨盤の位置を正しく保つことができます。
反り腰の方に最適!
まとめ
下肢のしびれは、腰や骨盤周囲の神経絞扼、筋肉の過緊張、自律神経の乱れなど多くの要素が関与しています。
接骨院では、それらを構造的・神経的・機能的に総合評価しアプローチします。
「ただの疲れ」と思っていたしびれが、日常生活のパフォーマンスを大きく下げている可能性もあります。
しびれでお悩みの方は、早めにご相談ください。


