【関節が鳴るのはなぜ?】首・肩・肩甲骨・膝の音の原因と対策を解説!
「首を動かすとバキッと鳴る…」
「肩を回すとポキポキ音がする…」
「肩甲骨のあたりがバキバキ鳴る…」
「立ち上がるとき、膝がミシッと鳴る…」
こんな経験、誰にでもありますよね。
痛みがなければあまり気にしないかもしれませんが、音が鳴ると「これって大丈夫?」と不安になる方も多いと思います。
今回は、関節が鳴る原因とその対策について、部位別に解説します。
なぜ関節は音が鳴るの?
関節の音は医学的に「関節音(クレピタス)」と呼ばれ、大きく次のようなタイプがあります。

① ガスが弾ける音(ポキッ・パキッ)
- 関節内の潤滑液(滑液)に溶け込んだ気泡が、動作によりはじけて音が出る。
- 通常は生理的現象で、痛みがなければ問題ありません。
② 骨や軟骨、靭帯がこすれる音(ゴリゴリ・ミシミシ)
- 長時間の同じ姿勢や運動不足により、筋肉のこわばりや可動域の低下が原因となって起こります。
- 慢性的なものや痛みを伴う場合は、関節や周囲の組織に負担がかかっているサインかも。
【首が鳴る】原因と対策

● よくある症状:
- 首を回したとき「ポキッ」「ゴリッ」と音がする
- 首の付け根が硬く、動かすと音と違和感を感じる
● 主な原因:
- 姿勢の崩れ(猫背やスマホ首)で首の骨に負担がかかる
- 頸椎(けいつい)周辺の筋肉のこわばり・滑走不良
- 椎間関節の間にある関節包のガスの破裂音
● 対策:
- 正しい姿勢を意識することが最優先!
- ストレートネック改善のために、首の後ろを伸ばすストレッチや肩甲骨の可動域改善を行いましょう。
- デスクワーク中は定期的に首を回したり、あごを引いて首を後ろに戻す運動(チンイン)が効果的です。

ビフォー(悪い姿勢)
あごが前に出ている(スマホ首・ストレートネック)
アクション(エクササイズ中)
後頭部を後ろに引くようにして、あごを軽く引く、5~10秒静止する。
※首の後ろが伸びるイメージ
繰り返し実施する。
アフター(良い姿勢)
あごが引けて、首がまっすぐになっている
※ 頻繁に首を鳴らすクセは、靭帯をゆるめてしまう可能性もあるので注意。
【肩を回すと音がする】原因と対策
● 原因

- 肩関節は非常に可動域が広く、複雑な構造をしています。
- 音の原因は主に以下の通り:
- 筋肉や腱が骨に引っかかる
- 肩関節周囲のガスが弾ける
- 肩甲骨の可動制限(=動きが悪くなっている)
● 対策
- 肩甲骨周りをほぐすストレッチや運動がおすすめです。
- デスクワークの合間に、肩を大きく回す、背中で手を組むストレッチを行うと◎
- 肩甲骨を内側に寄せるような動きで、筋肉の滑走を良くしていきましょう。
参考ブログ:3分でできる、オフィスでの肩こりの対処法
【肩甲骨がバキバキ鳴る】原因と対策
● 原因
- 肩甲骨は背中の「浮いた骨」であり、肋骨との間に筋肉を介して動いています。
- 音の原因:
- 肩甲骨周囲の筋肉の癒着やこわばり
- 滑走性の低下(筋膜同士がうまく動かない)
- 背中の筋肉のバランスの崩れ
● 対策
- 肩甲骨まわりのストレッチが効果的。
- フォームローラーやテニスボールなどで、菱形筋や僧帽筋下部のコリをほぐすと音が減ることがあります。
- 呼吸を深くして、胸郭の動きも意識することが大切です。
参考ブログ:3分でできる、オフィスでの肩こりの対処法
【股関節の音が鳴る】原因と対策
1. 関節のスレやズレ
- 股関節周囲の筋肉や腱が、骨と擦れて音が出ることがあります。
- 特に、股関節を曲げたり開いたりする動作で鳴りやすい。
2. 関節内の気泡(関節気泡現象)
- 関節内の圧力変化で、関節液中のガスが弾けて音がすることがあります。
- 特に痛みがなければ問題ない場合も。
3. 筋肉・腱の柔軟性低下
- 太ももの前側(腸腰筋)、お尻(大臀筋)、外もも(腸脛靭帯)などの柔軟性が低下すると、スムーズに動かず音が鳴る。
4. 姿勢の悪さ・骨盤の歪み
- 長時間の座り姿勢や猫背が原因で、股関節に負担がかかりやすくなり、音が鳴ることがある。
✅ 対策(簡単にできる)
1. ストレッチで柔軟性アップ
腸腰筋ストレッチ(片足を引き、腰を前に押し出す)腰痛のない人向け

仰向け膝倒しストレッチ(床に寝て、膝を胸に引き寄せる)簡単初心者向け

2. 正しい姿勢を意識
- 骨盤を立てて座る、猫背にならないように注意。
- イスに座るときは、深く腰掛ける。
3. 軽い運動を習慣に
- ウォーキングやスクワットなど、股関節を動かす習慣で血流改善。
- 運動前後にストレッチを忘れずに。
【立ち上がるときに膝が鳴る】原因と対策
● 原因
- 膝の関節構造は骨・軟骨・靱帯など多くの組織が密集しています。
- 膝の音の原因:
- 滑液内の気泡(ポキッ)
- 大腿四頭筋や腸脛靭帯が引っかかる
- 軟骨のすり減り(年齢的変化によるゴリゴリ音)

● 対策
- 太ももの筋肉(特に大腿四頭筋・ハムストリング)をしっかり伸ばすこと。
- 立ち上がりの動作時に膝に負担をかけないフォームを意識。
- 筋力低下がある方は、軽いスクワットやウォーキングなどで膝の安定性を高めましょう。
放っておいても大丈夫?病院に行くべき?
音だけで痛みや違和感がない場合、多くは生理的な現象なので心配ありません。
ただし、以下のような場合は専門家に相談をおすすめします。
- 音とともに痛みや違和感がある
- 音が急に大きくなった・頻度が増えた
- 動きに制限が出てきた
- 膝や肩が腫れる、熱を持つ
早期の対応で、悪化を防げることもあります。
まとめ
関節の音は、「体からのサイン」とも言えます。
姿勢や筋肉のバランスが崩れていたり、動かす機会が減っていたりすることで、肩や膝の音が目立ってくるのです。
日常生活の中でちょっとしたセルフケアやストレッチを取り入れることで、音は軽減し、動きもスムーズになります。
音が気になる方は、ぜひ今日から意識してみてくださいね。


